楽譜に書いてある「分数のような数字って何?」と思ったことはありませんか?
実際のところ、普段はあまり気にもとめない数字ですね。
この分数のような数字のことを拍子(ひょうし)記号といいますが、どんな意味を持つのでしょうか。
今回は、楽曲の持つリズムの基盤となる拍子記号についての理解を深めていきましょう。
この記事では
- 楽譜にある分数のような数字とは?
- 拍子と拍について
- 拍子の種類とは?
- 楽譜にある拍子記号の意味
について解説します。
楽譜にある分数のような数字は?
楽譜にある分数のような数字のことを拍子(ひょうし)記号といいます。
拍子記号は楽曲が何拍子であるかを表すもので、その曲を支えている一定のリズムを数で表したものです。
ちなみに上の画像は4分の3拍子というふうに分母から読みますが、一般的な拍子には
- 4分の4拍子
- 4分の3拍子
- 4分の2拍子
- 2分の2拍子
- 8分の3拍子
等があります。
拍子記号は他にもありますが、この記事では上にある単純拍子から説明していきます。
拍子と拍について
拍子とは、音楽を支えている鼓動のような一定のリズムです。
みなさんが耳にしている音楽のほとんどは、一定のリズムを繰り返しながら形作られています。
あなたも何かの曲に合わせて手拍子したことがあると思いますが、一つのハンドクラップ(拍)がいくつも連なって一定の周期であるリズム(拍子)になっています。
拍子とは、このように音楽を支えている一定の周期で繰り返される拍の連なりのことを言います。
拍子(ひょうし)の種類とは
拍子とは音楽を支えている一定の周期で繰り返される拍の連なりのことを言いますが、
主に
- 2拍子
- 3拍子
- 4拍子
の3つの種類に分けられます。
たとえば
- ポルカ(2拍子)クラリネット・ポルカ
- ワルツ(3拍子)眠りの森の美女
- マーチ(4拍子)世界のマーチ
などが代表的です。
これらの曲に合わせて手拍子できましたか?
しかし実際に音楽を聴いて手拍子できても、「何拍子か?」と聞かれると分からない場合が多いでしょう。
日頃から拍子について考えることが殆ど無ければ分からなくて当然です。
そこで、正確に拍子の種類について知りたいときは楽譜に書いてある拍子記号を見る必要があります。
それでは実際の楽譜を見ていきましょう。
楽譜にある拍子記号の意味
拍子記号は、その曲が
- 何拍子であるか
- 拍の単位になっている音符は何か?
を表したものです。
ほとんどの拍子記号は上の画像のように、楽譜の最初に
- 分子(拍子を表す)
- 分母(拍の単位となる音符を表す)
分数で記されています。
中には数字以外の書き方もありますので説明していきましょう。
何拍子かを表す分子
楽譜の最初に表されている拍子記号の分子は、その曲が何拍子かを表しています。
ここでは分子のみの説明をしておきます。
例えば4分の2拍子↓
または2分の2拍子↓
2つとも分子が2なので拍子は2拍子となります。
2拍子は1・2・1・2・1・2・1・2・の周期で繰り返される拍子です。
曲の特徴はクラリネット・ポルカのような主に軽やかなものとなります。
2分の2拍子の場合、分数ではなく
のように表されることもあります。
4分の3拍子(また8分の3拍子など)は
分子が3なので3拍子となり、1・2・3・1・2・3・1・2・3・の周期で繰り返される拍子です。
眠りの森の美女のようなワルツと呼ばれる優雅さの漂うリズムが3拍子となります。
4分の4拍子↓は
分子が4なので4拍子となり、1・2・3・4・1・2・3・4・の周期で繰り返される拍子です。
世界のマーチのような行進曲だけではなく、4拍子の曲には沢山のスタイルの曲があります。
4分の4拍子については
で表されていることもあります。
拍の単位となる音符を表す分母
拍子記号の分母は、曲を構成する拍子の基となる「拍の基準」を示す音符を表したものです。
物に例えると
- 鉛筆1ダースが拍子だとすると拍の基準は鉛筆1本
- ビール1ケースが拍子だとすると拍の基準はビール1本
のような考え方です。
楽譜に置き換えてみます。↓
4分の4拍子であれば分母が4です。
分母の4は
↑「4分音符」を表しています。(4の数は4分音符の4の数字)
わかりやすい楽譜を例に取ると
のようになります。
※最後の小節の音符は、4分音符4つ分を一つの長さで延ばした音符です。
4分音符が4拍子の基準となる1拍を表し、1・2・3・4・1・2・3・4・の周期で拍が繰り返されているのがわかりますか?
また4分の3拍子も
拍の基準が分母の4が表す
↑4分音符が1・2・3・1・2・3・の周期で繰り返されているのが分かりますね。
※最後の小節の音符は、4分音符3つ分を一つの長さで延ばした音符です。
2分の2拍子であれば
↑の分母は2ですので、2分音符(2の数は2分音符の2の数字)
が拍子を構成する拍の基準となります。
楽譜を例にとると
のようになります。
※最後の小節の音符は、2分音符2つ分を一つの長さで延ばした音符です。
2分音符を1拍として1・2・1・2・1・2・の周期で拍が繰り返されています。
まとめ
楽譜の最初に分数のような数字で書かれている拍子記号は、楽曲の持つリズムの基盤となる拍子を表した数字です。
一般的な拍子記号は
- 4分の4拍子
- 4分の3拍子
- 4分の2拍子
- 2分の2拍子
- 8分の3拍子
などがあります。
なにげなく音楽を聴くだけであれば拍子について気に留めないものですが、楽譜を目にすると何だか気になる数字ですね。
拍子記号について、この記事だけでは説明しきれない部分もありますが、少しでもご参考になれば幸いです。
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