「子どもにピアノを習わせたいんだけど、対面レッスン?それともオンラインレッスン?」
正直なところ、どちらにしようか迷っている親御さんも多いと感じます。
近頃便利なオンラインが普及してきてはいますが、講師の目線から言えば実は「対面レッスンの方が子どもの成長がスピードアップ」します。
この記事では、
- なぜ対面レッスンは子どもの成長をスピードアップさせるのか?
- 対面レッスンのデメリットがあるとするなら?
- 子どもの成長を願うなら、対面レッスンを選ぶべき理由
についてその理由を掘り下げていきましょう。
なぜ対面レッスンは子どもの成長をスピードアップさせるのか?

ここでは、ピアノの対面レッスンが子どもの心の成長を加速させる4つの質について解説します。
コミュニケーションの質が高い
対面レッスンが子どもの成長を加速させる大きな理由は、講師との質の高いコミュニケーションです。
講師は単に知識を伝達するだけでなく
- 生徒一人ひとりの表情や声のトーン
- 些細な反応を直接感じ取る
ことが可能です。
「あれ?少し難しそうだな」「集中が途切れてきたかな」といったサインに気づくと
- 声かけや説明の仕方
- 例え話など
を臨機応変に変えたりもできます。
このきめ細やかさこそが画面を通したオンラインではなかなか実現できないと言えます。
生徒も疑問に思ったことをすぐに質問すればその場で解決できるので、学びの遅れを防ぎスムーズに進みやすくなります。
結果的に子どもたちは
- 自分のペースで無理なく学習を進められる
- 得意な分野をさらに伸ばせる
- 苦手な分野を克服するための丁寧なサポートを受けられる
ようになります。
対面レッスンの集中力向上効果
対面レッスンは子どもの学習への集中力を高めてくれます。
自宅ではない「教室という学びの場」に身を置けば、
- 自然と学習に向きやすくなる
- 更に周りの生徒たちの取り組む姿を見て刺激を受ける
のような体験ができます。
また講師の存在を常に身近に感じることで
- 適度な緊張感と安心感の中で学習に取り組める
ので集中し効率的に知識やスキルを学ぶことになります。
自宅でのオンラインレッスンは、家族の声、他の部屋の音、ペット、スマートフォンの通知など気を散らす要素が多く存在します。
さらに、先生が直に隣にいないため姿勢の修正、指の動きの具体的な指導、子どもの集中力が途切れた場面などで直接的な指導が制限されます。
オンラインレッスンでは、子どもの集中力の維持や質の高い練習時間を確保することが難しくなります。
五感を刺激する学びの体験ができる
子どもを音楽的に成長させるためには「五感をフルに活用すること」が大切です。
対面レッスンでは、
- 実際に教材(リズム打楽器など)に触れる
- 講師の身振り手振りを見る
- 他の生徒の発言を聞く
などの、オンラインでは限定的になりがちな生の感覚が感じられます。
例えるなら、音楽のレッスンであれば楽器の音色を直に耳で聴き、美術のレッスンであれば素材の質感を手で確かめるような感覚です。
このように体験に基づいて学ぶと、
- 深く理解する
- 記憶にも残りやすい
などピアノを通して効率の良い情操教育が学べます。
社会性が育つ
ピアノ教室での対面レッスンは「子どもの社会性を育むこと」においても良い効果があります。
例えば人前で演奏することや、隣り合った時間の生徒さんとのコミュニケーションを通じて
- 他の生徒との共同作業や意見交換
- ときには競い合うこと
などのきっかけが作られます。
そのなかで、子どもたちはコミュニケーション能力や協調性や他者を尊重する心も育んでいけます。
もちろん講師との間において
- 安心感や信頼感
- 自己肯定感
が高めらるなどの「社会で生きていく上で大切な体験」をすることも可能です。
長い目で見れば、大切なのはピアノが弾けるようになることにプラスされる事柄だったりもします。
対面レッスンのデメリットがあるとするなら?

対面レッスンにもデメリットが無いわけではありません。
デメリットを3つ解説します。
場所的な制約
レッスンを受けるためには教室や講師の自宅など特定の場所へ行く必要があります。
自宅近くに適切な教室がない場合や送迎が必要な場合は、時間的・体力的な負担が生じます。
これは、オンラインレッスンにはないデメリットと言えるでしょう。
費用が高めになる傾向
対面レッスンはオンラインに比べ会場費や講師の移動費が発生しやすいため、レッスン料がやや高くなる傾向があります。
通学の料金も考慮に入れる必要があります。
指導による質の高さや、その場での細やかなアドバイスは費用に見合う価値があるとも言えますが、予算とレッスンの質を比較検討することが大切です。
子どもの成長を願うなら、対面レッスンを選ぶべき理由

ピアノを学ぶなら単に技術を習得するためだけでなく「子どもの精神的な成長」となるような学び方がベストです。
そこで対面レッスンを選ぶべき理由として注目したいのが「どれだけ弾けるようになったか」などの結果では測れない、
- 自己肯定感
- 忍耐力
- 集中力
- 協調性
- 問題解決能力
- 感情のコントロール
などの人生を豊かに生きるための内面的なスキルである「非認知能力」が育まれるということです。
ピアノは「非認知能力」を育む上で非常に効果的な習い事として注目されています。
非認知能力は
- 「できた!」という成功体験を積み重ねる
- プロセスを重視する
- 子どもの興味関心を引き出す
- 失敗を肯定的に捉える
- 発表の場を設ける
ことで向上しやすくなります。
今のところオンラインのピアノレッスンは、非認知能力を育む上で対面レッスンと比較していくつかの課題を抱えている現状があります。
特に以下のような点が非認知能力の育成を難しくする可能性があります。
1. 言葉以外の情報の伝わりにくさ
オンラインレッスンでは生徒の微妙な表情や体の動きなど、非言語的なサインを先生が読み取りにくくなります。
これにより、生徒の不安や喜び、モチベーションの変化を察知しづらく、適切な声かけやサポートが遅れることがあります。
先生と生徒の共感や安心感の共有が難しくなったり、感情を音で表現する際の細かなニュアンスを伝えにくい点も、表現力指導の課題となります。
2. 集中力維持の難しさ
自宅でのレッスンは、家族の声や通知音など、集中を妨げる要素が多く、生徒の集中力が途切れがちです。
画面を見続けることによる目の疲れや精神的な疲労も集中力の持続を難しくします。
また対面レッスンのように、先生が直接姿勢を直したり指の動きをサポートしたりできないため、生徒自ら気づき学習する必要があります。
オンラインレッスンは生徒が自力で集中力や練習意欲を維持しなければならないので、ハードルは高めです。
3. コミュニケーションと協調性を感じにくい
オンラインレッスンは先生から生徒への一方的な指示になりやすく、生徒が自由に質問したり意見を言ったりする表現の機会が少なめです。
音質にも制約があるため、先生との連弾やアンサンブルといった複数の演奏者が相手の音を聴いて気持ちや息を合わせる経験がしにくくなります。
対面で相手の反応を直接感じられないと達成感や一体感も得にくいでしょう。
特にオンラインでの発表会は味気なく感じられがちです。
まとめ

近年、オンラインレッスンの手軽さに注目が集まることが多いですよね。
確かに便利な一面もありますが、講師として子どもたちと日々向き合う中で私は「心の成長」という本質的な視点から対面レッスンの大切さをお伝えしたいと思っています。
対面レッスンにはオンラインでは得られないたくさんのメリットがあります。
それは
- 講師との直接的なやり取り
- 教室という空間での集中力
- 他の生徒さんとの交流
など、画面越しのピアノの音色とは異なり「実際に触れる」ことで伝わる音の響きや、楽器との一体感は子どもの感性をより豊かに育んでくれるでしょう。
対面レッスンでしか味わえない生き生きとした学びの体験がお子さんの成長にとって大きな意味を持つと信じています。
今回の記事が、皆さんの今後のレッスンの方向性を考える上で何か小さなきっかけとなれば幸いです。
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